熊本県荒尾市の炭鉱跡である万田坑に行ってきました。ここに来るのは2回目。以前は何年も前、まだ資料館的に整備して一般公開する前に見学会が実施された時だった。(その時は俳句コンテストとか写真コンテストもあったような気がするが、この部分は記憶が曖昧)その時はまだ殆ど手つかずの状態で、「もしかしたら貴重な物もあるかもしれないので物を持って帰らないでください」と注意があった。現在は綺麗に整備されていて見違えるようになっていた。観光地化されて、ある意味少し味気なくなったような気もするが誰でも安全に見学できるようになったんだから良しとしましょう。万田炭鉱館。写真や当時の用具などが展示してあります。ここは入場無料でした。
万田坑ステーション。ここは有料、入坑料という名の入場料を払う。たしか400円だった思う。ここにも写真や当時の道具などが展示してある。
荒尾市シルバー人材センターの爺ちゃんがガイドをしてくれる。入坑する前に神様に安全祈願していたらしい。四国愛媛の神社から文祀してもらって、閉山後は元の愛媛の神社に帰ったそうだ。だから現在はここに神様は居ないという説明を受けた。
炭鉱には必ずある浴場。オモシロかったのは、山の男達は荒いので洗面器を投げても割れないようにゴム製の洗面器だったらしい。
竪坑櫓(たてこうやぐら)の建物内に入る。建物内は安全のためにヘルメットをかぶらないといけないらしい。ガイドの爺ちゃんはかぶらないという矛盾を感じながらも、素直にかぶる。
巨大な巻上機など見どころ満載。ガイドの爺ちゃんが年代とか諸元だとかイロイロ詳しく説明してくれるのだが、ガイドをするために暗記してるのだろうか、ご苦労さまです。
鍛冶場や木工場の跡。昔来たときはもっとオイルの匂いとかしたような気がするが、風通しがよくなったからか匂いは抜けているような気がする。
前方に見える白い建物はアソニットといって繊維関係の会社だったらしい。三川坑爆発事故の遺族が働くために三井が会社を作ったそうだ。これは知らなかった。
万田坑竪坑櫓。坑口とかは塞がれてるし、やはり竪坑櫓が主役でしょうね。2基あったほうの小さいほうらしいがそれでも巨大。大きいほうは解体して北海道の炭鉱に運んでから組み立ててしばらくは現役で働いたらしい。
ちなみに隣の大牟田市にも立坑櫓が残ってて、そちらのほうが大きいです。以前見学会に参加したのですがそちらのほうは多分一般公開はしていないんじゃないかと思います。企業の所有地で所有物だとかそんな理由だったような気がします。
万田坑跡保存が決まる前は本当に荒れ果てていて、このまま朽ち果てるか解体されるのかと思っていましたが保存されて何よりです。炭鉱には囚人・捕虜労働とか暗い歴史があるのも確かですが、貴重な文化遺産として残していってもらいたいと思います。世界遺産の暫定リストには挙がっているらしいので、他の炭鉱跡とセットで世界遺産になる可能性もあるそうです。
12月 29