荒尾競馬場が12月23日のレースを最期に閉鎖になった。休日だし最終日は行かないかんと思って行ってきた。
なんでも1927年から83年の歴史があって現存する地方競馬では最古だったそうだ。
炭鉱の閉山があったりして観客が減り赤字が膨らんでいたらしい。
元々荒尾には祖父母が居て小さい頃から馴染みがあるが、昔は競馬開催日の終了する時間帯には周囲が大渋滞するのが荒尾の風物詩だったような記憶がある。
関東や東北など遠くからも駆けつけた人達がいるそうだ、親子連れの会話で「荒尾はママが生まれたところ」なんてのも聞こえてきた。
この日は入場無料になった。報道によると、この日は約9000人の来客があったそうだ。最盛期にはこんな感じの風景だったのだろうか。
やはり最後を写真に残そうとカメラを持っている人が目立つ。マスコミ関係者も多く来場していた。
「さよなら・感謝・荒尾競馬」83年の歴史に幕を閉じる2011年12月23日第9レースのスタート。
後ろに見えるのは四山神社と四山灯台。荒尾競馬と四山灯台の組合せもこれで見納め。
勝ったのは12サマービーチ。牧野孝光騎手。この日で騎手を引退するらしい。荒尾競馬の歴史で最後のウィニングラン。
グランドフィナーレでは騎手が用具を観客に投げ入れてプレゼント。サプライズ企画として佐藤智久騎手の結婚式が始まった。
荒尾競馬閉鎖の後は北海道に行くらしい。九州から北海道じゃ環境もガラリと変わるし、嫁さんもタイヘンだろうがガンバレ。、としか言いようがない。
グランドフィナーレイベントでは”荒尾競馬のマドンナ”と呼ばれる女性騎手・岩永千明騎手が「私は荒尾競馬が大好きです」と感極まりながら涙で別れの挨拶。観客から暖かい声援を受けていました。
こういう世界の女性はチヤホヤされるもんだろと思われるかもしれませんが、ホントにカワイイです。
来年荒尾競馬でデビュー予定だった”幻の荒尾競馬ルーキー”小山沙知伽騎手候補生と共に大きな話題になるかもしれなかっただけに残念。お二人とも佐賀競馬に移籍するそうです。
MCを務めたのは、荒尾市出身のアイドルだという西村赤音(にしむらあかね)ちゃん。「自分が売れていたら荒尾競馬を救えたかもしれない」・「全然売れなくてゴメンナサイ」という感じのことを涙ながらに言ってて、ちょっと感動した。
馬場が解放されて熱心なファンは自分で走ったりして別れを惜しむ。夕暮れの中を多くの人が歩き、砂を袋に詰め持ち帰る。
もう客が来ることはない発売所。これまでどれだけ多くの人達がここを通ったのだろう。
最後の観客が出て門が閉められる。まさに83年の歴史が終わる瞬間。自分が一番最後に門を出た観客になった。警備員さんにせかされながらも何か思い出を残したくて寒い中粘った。
荒尾には競馬場があるのが当たり前の光景だった訳で、無くなるのはやはり寂しい。
寂しいけども時代の流れというか、しょうがないことなのかもしれませんね。中津競馬のことは詳しくは知らないけど、ネットで見る限りは唐突にいきなり打ち切られたらしいし、最後に多くの人が駆けつけてサヨナライベントとかやれた荒尾競馬はまだマシだと思う。
昭和の荒尾競馬場はこんな感じかなと想像し画像をレトロ風に加工してみた。
グーグルアースでの荒尾競馬場画像
画像取得日は2009年8月’, ‘グーグルアース荒尾競馬場画像